適切なスイングウェイトについて
テニスラケットの
適切なスイングウェイト
スイングウェイト=振り重み
テニスラケットには、その使いやすさを大きく左右する大事な数値があって一般的には「スイングウェイト」と呼ばれています。(正確には「慣性モーメント」と言います)
「スイングウェイト」とは文字どおり、「スイング」したときの「ウェイト」で、「振ったとき」の「重さ」のことです。
そして、この数値は「重量」と「バランスポイント」では決まらない独立した数値です。
ラケットは振って使うもの
このスイングウェイトの数値がなぜ重要かというと、テニスラケットは70cmくらいの長さがあり、その端を持って振り回して使うものなので、単純な「重さ」の数値では「振ったときの重量感」がわからないからです。
長さがあるものは、その長さの中のどの辺に重量が配分されているかによって「振ったときに重いかどうか」が大きく変わりますが、その「振ったときの重さ」は実際に振って計測しないとわかりません。
単純に言うと、ラケットの先の方に重さがある場合は振ったときに重く感じ、手元が重ければ振ったときに軽く感じます。
スイングウェイトは
実際に振って計測する
重量の数値が同じでも「振ったときの重量感」は同じにならないので、実際にスイングウェイトの数値を計測することが大切です。
下記の画像のように、ラケットを専用の計測機械にセットして1本1本の数値を実際に振って計測します。
テニスラケットは振って使うものなので、静かに置いて計測する「重量」や「バランスポイント」より、「振ったときの重量感」を示す「スイングウェイト」のほうが現実的な数値だと言えます。
スイングウェイトの個体差は
意外に大きい
そして、実際に計測してみると、テニスラケットのスイングウェイトは、同じモデル、同じグリップサイズでも、1本1本でかなり違うということがわかります。
現在のテニス市場にあるラケットは、およそ20ポイントくらいのバラツキ幅があるのが普通なので、270という数値のラケットがあった場合、同じモデルでスイングウェイトが290というラケットがあっても不思議ではありません。
スイングウェイトの個体差、数値のバラツキ幅は意外に大きいわけです。
この「スイングウェイト」という数値をカタログやフレームに表示しているラケットブランドは「プリンス」1社だけなのですが、その場合も、表示されている数値はあくまで「設定値」なので、個々のラケットには数値のバラツキがあります。
スイングウェイトが
軽いと打ち負ける
スイングウェイトが重いと振るときの負担が大きくなり、軽いと力を使わずに振れるので、振り重みの軽いラケット、つまり、スイングウェイトの軽いラケットが魅力的に思えてしまうのですが、そこが結構大きな落とし穴なのです。
なぜなら、スイングウェイトが軽いと飛んでくるボールに負けやすくなるので打ち返しにくくなるのです。
テニスでは、飛んでくるボールを何度も繰り返し打たねばならないのですが、ボールに負けやすいラケットでは毎回力を入れて打つ必要があるので、かえって疲れてしまいます。
それでも、打ち合うボールのスピードがゆっくりであれば、あまり気にもならないのですが、実戦レベルの打ち合いになると、スイングウェイトの軽いラケットではいつも力んで打たなければならないので、疲れる上にミスが増えてゲーム展開が苦しくなります。
スイングウェイトが
重すぎるのもダメ
ラケットのスイングウェイトは重いほうが勢いのあるボールに打ち負けにくいのですが、でも、重ければ良いということではありません。
スイングウェイトには「ボールが当たったときの安定性を左右する」という面があるのと同時に、もう一つの「プレイヤーがラケットを振るときの重量感」という面もあるため、スイングウェイトが重いとプレイヤー側の負担が大きくなります。
テニスは、何度も繰り返してラケットを素早く振らなければならないスポーツなので、スイングウェイトが重すぎるとタイミング良く振ることが難しくなるわけです。
その結果、「スイングウェイトは軽くてもダメ、重くてもダメ」ということで、実戦レベルの打球スピードで打ち合うためには「最低でも、これくらいの数値は必要だけれど、これ以上は要らない」という適正範囲があるわけです。
不適切なスイングウェイトは
弊害を生む
テニスワンでは、ラケットドックというイベントで10,000名以上のプレイヤーにラケットフィッティングを実施してきました。
その経験を通してわかったことは、ラケットのスイングウェイトがある範囲から外れると、プレー上で目に見えるくらいに明らかな弊害が出るということです。
使用するラケットのスイングウェイトが適切な範囲を外れて軽すぎたり、重すぎたりすると、本人が知らないうちにその影響がスイングに出てしまうため、余計な負担を背負いながらのプレーになってしまいます。
つい大振りになってしまう
打った後でバランスが崩れやすい
力んで打っていると言われる
腕が縮んで大きく振り抜けない
打つ前に足が早く止まる
すっぽ抜けのアウトが出やすい
ショートラリーなど弱いショットが打ちにくい
スピンがうまくかからない
ハードヒットしても簡単に打ち返される
以上のような症状が出ている場合、努力しても治らなければ不適切なスイングウェイトの影響を疑ってみても良いでしょう。
重量とは一切関係がない
スイングウェイトは数値範囲が「重量」と似ていて、しかも「重量感を表す数値」なので「重量」とゴチャゴチャになってしまうことがよくあります。
一例を挙げると、「重量が重いとショットが安定する」というようなことが言われますが、重量とスイングウェイトは関連性がないので、重量が重いラケットでも「スイングウェイト」が軽いというケースもあるわけです。
そして、重量が重くても軽くても、スイングウェイトが軽ければ、相手の打球に負けやすいということに変わりはないので、重量が重いからといって面が安定するとは限りません。
重量が320gあっても打ち負けやすいラケットはあるわけです。
逆に、「重量が軽いと取り回しが楽そうだ」と思ってしまうのですが、重量が軽くても「スイングウェイト」がやたら重いというケースもあり、そういうケースでは取り回しの負担は大きいので、重量の軽いラケットでも素早く振るのが難しくなります。
270gくらいの重量のラケットを使っている場合、「自分のラケットは軽い」と思い込んでいることが多いのですが、実際には、スイングウェイトがとても重くて負担になっているということもあります。
重量の数値で振ったときの重量感(スイングウェイト)を想像しないほうが安全ということです。
スイングウェイトが
ラケット選びのキーポイント
同じモデルであっても、「スイングウェイト」が重ければ取り回しの負担が大きくなり、「スイングウェイト」が軽ければ強い打球に打ち負けやすくなるということは、言い換えれば、「スイングウェイト」の数値次第でラケットの基本性能が変わってしまうということです。
「スイングウェイト」の選び方で、同じモデルでも使いやすかったり、使いにくかったりということが起こり得るということになります。
ですから、打ちやすいラケットを手に入れるためには、「スイングウェイト」の選択が大きなカギを握っているわけです。
スイングウェイトが選べる!
テニスワンでは、ご注文いただいたときに在庫ラケットの「スイングウェイト」のリストをお知らせしますので、その中からお好きなものをお選びいただくことができます。
また、その際にアドバイスが必要な場合は、ご指示いただければ、適切な数値のものを推奨させていただきます。
新しいラケットに期待をふくらませてせっかく購入しても、「スイングウェイト」の数値が適切でなければ良い結果につながりません。
「打ちやすい打ちにくいはスイングウェイト」で決まるので、同じモデルであればどれでも大した違いはないなどと考えずに、慎重にお選びください。
Click!⇒ガット張りの理想とは
ズバリその答えは「打球感を無くすこと」です。「打球衝撃を最小限にするセッティング」が実現すれば「インパクトでヘッドが走る状態」になります。そして、手応えが軽くなってヘッドが走れば打球が伸びて沈むようになり、相手コートで弾んでからの失速が減ります。それくらい、適切なガット張りは大切なのです。
◆スイングウェイトとガット張り
どんなに優れたラケットにも個体差があるので、スイングウェイト(振り重みの数値)の選択を間違えると、打ちやすいラケットは手に入りません。⇒スイングウェイトって何?
さらに、実際にボールを打つのはラケットではなくガットなので、適切なガットを適切な硬さに張り上げないとコントロールが難しくなります。⇒適切な張上とは
そして、この二つのうちのどちらか一つがダメなだけで全部が台無しになってしまうので、せっかくのラケット選びを失敗に終わらせないために、この二つを最優先してお考えください。
テニスワンは、10,000名以上のラケット・フィッティング経験を通じて、一般プレイヤーに適したスイングウェイトと適切なガット張りについてのノウハウを獲得しています。
ご注文時に「スイングウェイト選択」と「ガット張り」についてのアドバイスをご希望の場合は、ご注文の最後の【その他】欄に「相談希望」とお書きいただければ、簡単なアンケートをメールで送らせていただきます。
ラケットのご注文はテニスワンへ!⇒Click!
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