ラケットでプレーが変わる動画-1
ラケットで
プレーが変わる動画
ラケットドックの「Before After」の動画です。
前半部分は自分のラケットで打っていて、後半はフィットしたラケットで打っている様子です。
こうした編集の常として、ある程度はイイトコ取りなのですが、その分をマイナスしても後半は別人のように見えるケースが少なくありません。
ただこれを、後半が良くなったと見るのは誤りで、正しくは、後半が「本来の姿」で、前半が「変な状態」だったと見るべきでしょう。
なぜなら、ほんの十分前後打っただけで技術が向上するはずはないので、前半部分は「合わないラケットにジャマされていた状態」で、後半はそれが解消されたので「本来できるはずのことが素直にできるようになった」ということです。
そして、これくらい変化しても、ラケットフィッターに言われて初めて「えっ、そうですか?」と言うくらい自分ではわからないケースが少なくありません。
合わないラケットにジャマされているときも、そのジャマが解消されて良いプレー状態になったときも、自分ではわからない可能性が高いわけです。
ラケットを替えて2〜3回打てばプレイヤーの運動は変化しますが、それをプレイヤー自身が把握するのはとても難しいので、プレイヤー以外の第三者が見分ける必要があるのです。
13歳ジュニアプレイヤーのケース
ラケットが合わないと、うまく打球にパワーが伝わらないので「力で打つ状態」になるため、非力なジュニアは「合わないラケットの弊害」が大人より大きく出ます。
前半のご自分のラケットでは伝わりが悪いので打球が失速しやすいので、打球が低目に出ると短くなってしまい、相手まで届かないケースが何度かあるのですが、後半は打球の勢いがアップしたため、低目に出た打球も相手まで届いています。
前半の動きは少しモタモタした感じなのですが、後半はボールへの「入り」がスムーズで、リズミカルで安定した動きになってます。
これは、「伝わるラケットでインパクトの手応えが軽くなると、フットワークも軽くなる」というラケットドックの基本パターンで、軸も安定してショットの確率も良くなっています。
女性プレイヤーのケース
女性の場合もジュニア同様、非力なために合わないラケットの弊害が男性より大きく表れます。
前半のラケットでは、打球が高く飛んで最後にポトンと落ちるという典型的な失速状態です。
ご自分のラケットは飛びが悪いので高目に打ち出す状態になっていますが、それだけではスッポ抜けてしまうので、アウトを防ごうとして回転をかけているため、それによってスイングのパワーが回転に逃げてしまい、打球がさらに遅くなるという状態に陥っています。
後半は、上方向にコスるスイングが姿を消して、前に振り抜いて打球を押さえ込むスイングに変わっています。
さらに、打ち負けなくなってヘッドスピードも上がっているため打球スピードもアップしています。
プレイヤーの運動が打球に伝わりやすいラケットを使えばこれだけ変わるという好例です。
(※打球の高さの違いを見分けやすくするため動画に白い線を入れてあります)
70代男性プレイヤー
合わないラケットはパワーの伝わりが悪いので打球が失速しやすいので、最初のショットで打球が低く出て相手まで届かなかったため、その後は高い軌道で深く打とうとしてアウトが出ています。
一般的には、打球がアウトすると「飛びすぎ」と考えてしまいがちですが、実際はこのケースのように、ラケットが飛ばないことがアウトの直接原因になることが少なくありません。
ご自分のラケットでは打ち負けているために、負けないように腕に力を入れて前に押し出すようなスイングになっていますが、後半、打ち負けなくなると、インパクトで入っていた力が抜けてきて、ヘッドが振り抜けている状態に変わってきています。
前半の「高い軌道で飛んで行ってしまった打球」に比べて、後半は「振り抜いて押さえ込まれた打球」になっており、打球の高さも適切化しています。
(※打球の高さの違いを見分けやすくするため動画に白い線を入れてあります)
20代男性プレイヤー
前半部分では、下半身と上半身の運動がうまくつながっていないためにバランスが崩れやすく、それがミスにつながっていますが、後半は足元が落ち着いてバランスの崩れが減ったためにショットが安定しています。
このように、プレイヤーの運動が打球に伝わりやすいラケットを使うと、上半身と下半身のつながりも良くなって軸が安定しやすくなります。
さらに、球筋が低目に押さえられて打球スピードが増しています。
20代男性プレイヤー
前半のラケットでは球筋がかなり高く「回転過剰」の状態なのに対して、後半は低めでスピードの有る球筋になっています。
こういう様子を動画で見ると、こんなにハッキリとした球筋の変化はプレイヤーが意識的にやっているのではないかと思われがちですが、実はそうではありません。
というより、球筋がこれくらい変化しても、そのことにプレイヤー自身が気付かないケースが実際には多いのです。
「回転過剰の状態」から「厚く当てて振り抜く状態」への「無意識的な変化」はラケットドックではよく見られる現象ですが、回転をかけなくてもコントロールできるという「意識下の安心感」がもたらすものだと思われます。
ボールの食い付き感が乏しいラケットでは、前半の最後のショットのような「面からポロッとこぼれたネット」が出やすくなります。
さらに、それも含めて打ち出される打球の高さがバラついて不安定になるため、不用意なネットを避けるために必要以上に高い軌道に打ち出すようになりますが、高い打球軌道でコートに入れるには強い回転が必要になるので、結果的に「回転過剰の状態」に陥るという仕組みです。
それに対して、ボールの食い付きに安心感が持てるラケットであれば、必要以上に高く打ち出す必要がなくなって、低い軌道で勢いのある打球が打ちやすくなるわけです。
(※打球の高さの違いを見分けやすくするため動画に白い線を入れてあります)
30代男性プレイヤー
今回のご参加が6度目というラケットドック・ヘビーユーザーです。
2年前の前回選んだラケットと今回のフィットラケットを見比べると、やはり、安定度の違いが顕著です。
2年くらいの間隔でリピートされる方が多いのですが、「最近、勝ちにくくなった」と感じたので再度受けてみようというケースが多いようです。
合っているラケットを使っていると、それが合わなくなってきたときに自覚できるので、余計な苦労をしなくて済みます。