CX400 /(IC ALL 17張上)
このCX400を最初にテストしたときの感想は、「前作のCX400よりずっと良くなったけどFX500ほどではないかな」というものでしたが、セッティングを煮詰めた結果、評価はガラッと変わって「すごく良い!」になりました。
その理由は、CX400のパフォーマンスを大きく変えて、その魅力を開花させる張り方を見つけたからです。
最初に「FX500ほどではない」と感じたのは、CX400を張る際にFX500と同じ張り方をしたからで、張り方を変えてCX400用の独自のやり方で張ると、FX500、SX300に劣らない魅力が現れました。
「ノリとヌケの共存」
そして、CX400で開花した魅力は具体的に言うと「ノリとヌケの共存」です。
「ノリ」はホールド性で「ヌケ」は飛び出しの良さですが、この二つの要素が一つのラケットの中に共存することは通常はあり得ません。
というのも、「球持ちが良ければボールの出が悪くなる」のが普通だからです。
これはガット張りにも言えることで、ハイブリッドなどでホールド性を強調すると、マイルドなホールド性に反発力が食われてしまって打球スピードが犠牲になることがあります。
そして、これこそが前作、前々作のCX400との大きな違いで、その理由は以下の商品説明にあります。
「フェイス部の【面内剛性】を抑え、ホールド感を向上し、柔らかな打球感を実現。」
「フェイス部の内側方向への変形量を縦方向に約3%、横方向に約13%拡大。」
【面内剛性】
そうです。キーワードは【面内剛性】で、この単語が正式にダンロップの機能説明に登場したのは今回が初めてです。
この「面内剛性(フェース内側へのタワミ剛性)」については、テニスワンのメルマガでFX500やSX300のローテンション張上を説明する際にちょこっと登場して、その特性を紹介する際に触れてきましたが、ダンロップの公式説明では初登場です。
テニスワンが【面内剛性】に注目するのは、これがローテンション張上の土台そのものだからです。
「インパクト時にボールに押されて伸びたストリングが縮むタイミングと、フェース部分の内側方向へのタワミが戻るタイミングが同期化することで、ボールを打ち出すパワーが増大して伸びのある打球が生まれる」というのが、テニスワンがお勧めするローテンション張上の内容でしたが、それを支えるのが【面内剛性】の柔らかさなのです。(上記についてはダンロップの公式見解ではありません)
【面内剛性】が柔らかいから、柔らかく張り上げたストリングの反応とフレームのたわみ戻りがシンクロしてシャープにボールを打ち出すのですが、【面内剛性】が硬いラケットではフレームが反応せずにストリングの柔らかさだけでボールを飛ばす状態になるため、「ボヨン」とした感触になって、超ローテンション張り上げがフィットしません。
インパクトで「ボールを持つ感覚」をもたらしてくれる「ホールド性」は、ボールコントロールに安心感を付加して、スピンロブやショートクロス、ドロップショットなどの「ソフトインパクト・ショット」が易しく感じられるでしょう。
これまでのラケットドックで、たぐいまれな最高のフィット率を示してきた4.0の系譜のラケットについては、フィットしたプレイヤーのスイングが大胆になるという傾向がありました。
その変化の仕組みは、4.0のソフトな打感がプレイヤーの打球衝撃への警戒心を解くことで、そのスイングから慎重さが消えて、ちょっと乱暴にも見える大胆なスイングに移行していくというものです。
簡単に言うとビュンビュン振りたくなってしまうラケットということです。
もちろん、急な無茶ぶりではタイミングが狂いやすいので、徐々に移行していくことが必要ですが、おとなしく慎重に振っていたプレイヤーが大胆なスイングに移行していく姿は、横から見ていてとても楽しそうに見えました。
そして、今回発売のCX400については、その特性がさらに拡大していて、その理由は、超ローテンション張上とフレーム機能の相乗効果によるものです。
30ポンド以下の低いテンションの張上がもたらすソフトな打感と、フェースの横方向の面内剛性が柔らかくなったことで生まれた打球の加速感の二つがマッチして「ビュンビュン振りたくなってしまうラケット」ができあがったわけです。
※このモデルについては、スイングウェイトが軽い個体が多いため、スイングウェイトを微調整した上で張り上げてお送りします。(外見上は見えません)
フェース面積:100平方inch
フレーム厚:24.0mm
フレーム重量:平均 285g
バランスポイント:330mm
メーカー希望価格(フレーム):34,000円+税
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