ナチュラルの張りの硬さについて

ナチュラルガットの
硬さについて

数あるテニスのストリングの中でも、最も高いパフォーマンスを発揮するナチュラルガットですが、その張上の硬さを決める際にこの記事が参考になればと思います。

二つの異なる考え方

ナチュラルガットの硬さ設定については、二つの考え方があります。
その一つは、ナチュラルは伸縮性が高く反発力が強いので、ナイロンストリングより硬く張るというものです。ナチュラルのほうが反発があって飛びが出やすいので、その分、硬く張って抑えようと考えるわけです。

もう一方は、ナチュラルはナイロンより性能維持性が高くゆるみにくいので、硬く張る必要はないというものです。
2本のラケットをナチュラルとナイロンで張った場合、1ヶ月も過ぎれば、ナイロンが大きくゆるむのに対してナチュラルのほうがゆるみにくいので、ナチュラルのほうを硬く張ると、少し使ったときにナイロンとの差が大きくなってしまうので、硬く張る必要はないと考えるわけです。

ナチュラルは高反発

そして、私どもでは後者のほうをお勧めしています。
高い反発性がナチュラルのメリットなので、硬く張ってそれを抑えてしまうのはもったいない気がするというのも理由の一つです。

ナチュラルのように反発力の高いストリングは飛距離が伸びると考えるのが普通ですが、実際にはそれほど単純なことは起こりません。逆に、飛びを抑えるためにポリを張っても、飛距離はそれほど短くなりません。

テニスのショットは、プレイヤー側が勝手に運動の強度を決めて打つのではなく、出ている打球の深さが瞬時にプレイヤー側にフィードバックされて、それに応じて運動強度が調整されてしまうのです。
ですから、どんな状態のラケットを使っても、プレイヤーは運動の強度を調節して適切な深さに打つようになります。本能的に、無意識的にです。
ですから、飛ばないラケットでは飛ぶように打ち、飛ぶラケットでは飛ばないように打つわけです。

そのため、反発力の良いストリングでは、運動強度が下がってリラックスするのに対して、反発力の悪いストリングでは、運動強度が上がって力むようになります。単純に飛距離が変わるわけではないのです。

具体的な硬さの調節

ナチュラルのほうをナイロンより硬くするという場合でも、その差は、張力で2ポンドを上限とするくらいで十分でしょう。
ただし、ポリとナチュラルとの比較であれば4~5ポンドくらいの差は必要だと思います。

気温の違いに対応するための面圧(張り上がった硬さのこと)の上げ下げは、ストリングの素材によって変える必要はなく、同じように考えていただいて良いと思います。
春や秋が標準だと考えると、それに比べて真夏と真冬は2~3ポンドのプラスマイナスが基本だと思います。
冬場にポリを使うと、飛ばなさと打球衝撃の強さが気になるのですが、そういう場合はポリを大幅に柔らかく張るより、ナイロンやナチュラルに変えたほうが良いと思います。

ただ、張る店がいつもと違う場合は、こうした差のつけ方は有効ではありません。
店が異なる場合、ポンドの数値は硬さの目安にならないからです。
その場合は、ストリングが切れていない状態で店に持ち込んで現状の面圧を測り、それを基準に決めてもらったほうが安全です。

セッティングの適不適の目安

ストリング・セッティングの善し悪しを判断する際には、出ている打球の状態を最重要視して下さい。
特に、コートに着地する際の落ち方と、弾んでからの勢いに注目して下さい。
その際に、初速が速いかどうかは、あまり重要ではありません。

着地の仕方が失速してポトンという感じで、勢いなくポンと上に弾む状態なのか、グイッと押さえ込まれて着地した打球がグーンと伸びていく状態なのかを見極めてください。
これについては、相手に聞くのが一番でしょう。
そして、良い打球が出ているときの自分の打球感覚をチェックして下さい。
ガツンとしっかり打っている感じがする場合はダメなインパクトで、スルッと振り抜けているようであればOKです。

運動強度を上げて勢いのある打球を打つ状態になるセッティングはダメで、運動負荷が下がって良い打球が出るセッティングがGOODです。
テニスは、長時間打ち続けることが前提のスポーツですので、運動負荷が上がる打ち方は実戦的ではありません。始めから終わりまで、強い打球を打ち続けられる効率の良い打ち方でないと勝てません。しっかり打っていないのに、相手がミスをするようなセッティングを探して下さい。

チェックポイントの一つとして、ショートクロスが簡単に打てるセッティングというのもあります。
弱いインパクトのショットのコントロールが容易であれば、スピンロブなどの精度も上がり、相手の足元にも沈めやすくなります。
セッティングが合っているとショットの選択肢の幅が拡がり、逆に、セッティングが合っていないときは打てるショットの選択肢が狭くなりますので、それもセッティングの適不適の目安にできると思います。

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知らないと損
ガットについての情報

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◆ガット張りを工夫しても「適切なガット張り」は見つからない
ガット張りについての関心が高い方には残念なことですが、でもこれは、まぎれも無い事実です。
その事実とは、「ガット張りだけでは適切なガット張りを見つけられない」ということで、ガット張りについてどんなに深掘りしても、それだけでは快適なセッティングを見つけることはできません。
なぜなら、ガットだけではボールを打つことができないからです。
ガットはフレームに張らないと使えませんが、そのフレームがプレイヤーに合っていないと、どんなにガット張りを工夫しても快適に打てる状態にはなりません。
ですから、快適に打てるセッティングを見つけるには、その前に「自分に合うラケット」を手に入れることが必要なのです。
でも、この話はもっと複雑で、ガットだけではボールを打てないのですが、同じ理由で、フレームだけでもボールは打てないので、自分に合うラケットを手に入れるには、適切なガット張りがされているラケットを試打することが必要なのです。
なぜなら、ガット張りが不適切なラケットをいくら試打しても良い状態にはならないので、時間のムダになってしまうからです。
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「ガットの動き」が悪いせいで起きるネットやアウトを、全部自分のせいだと思い込んでいる人には、GUT LIVEは必要ありません。


◇インパクトでボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにスルッと滑ってネットすることが多くなります。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、ガット面から打ち出されるボールの角度が毎回変わるので、その影響で打球の深さが不安定になります。
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◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

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