良く飛ぶラケットも飛びが悪い!?

ラケットの性能は人との相性で変ります

プレイヤー毎にラケットの性能が変わるなんて、普通は考えられていないでしょう。
でも、プレイヤーとの相性次第で、飛ぶはずのラケットが飛ばなかったり、ハードなスペックのラケットでボールが楽に飛んだりというようなことが実際に起きるのです。

テニスラケットは通常、フェースサイズが大きく、フレーム厚の数値が大きいほどパワーがあるとされています。
実際に、オーバーサイズ以上の厚ラケはボールが楽に飛ぶように作られています。
でも、実際に、個々のプレイヤーを見ていると、そうとは言えないケースが意外に多く、厚ラケ・オーバーサイズを使っていても、打球に勢いがない方は少なくないのです。

そうしたケースの多くは、飛びすぎが怖くてスイングが縮んでしまっているのですが、縮んだスイングでは当然のことながら、打球に伸びとスピードがなくなります。
無意識のうちに、インパクトに向けてスイングが加速しないように調節しながら振っているのです。
そうすると、パワーのあるラケットを使っても、打球のパワーは出ないわけです。

また、ラケットの性能やストリングセッティングが、そのプレイヤーに対してハードすぎる場合も、打球の勢いは出ません。
ラケットのパワーが不足しているため、プレイヤーが力を入れて打とうとするのですが、そうした打ち方ではスイングに力みが出るだけで、かえって打球が失速してしまうのです。
ハードな性能のラケットが、合わないとさらにハードになってしまいます。

こうしたケース以外にも、ラケットの性能特性とプレイヤーのスイング特性が合わない場合、プレイヤーの力が打球にうまく伝わらなくなります。
ホールド性の高いラケットや、弾きのシャープなラケット、シャフトで粘る感じがするラケットなど、ラケットの性能特性にはさまざまなものがありますが、そうしたラケットの性能特性毎に、微妙な飛ばし方の違いがあります。
効率良くボールを飛ばすための打ち方が、ラケットの特性毎に微妙に違うのです。

ですから、ホールド性の高いラケットで勢いのある打球が打てるプレイヤーが、他のタイプのラケットを使うと、それが同じようなパワーレベルのモデルであっても、とたんにボールの勢いがなくなるということがあります。

こうしたケースとは逆に、ホールド性の高いラケットではボールの勢いが出ないプレイヤーが、それよりハードなスペックの弾きの良いラケットを使うと、急に回転のかかった強い打球が出るようになるというケースもあります。

厚ラケオーバーサイズを使ってきた方が、それよりフェースが小さくて薄いラケットを使った時のほうが、打球の勢いが出るなどというケースなどは、特に珍しいことではありません。

タッチが合うラケットは、ハードなスペックでもボールに力が伝わってスピードのある打球が生まれ、プレイヤーとラケットの反応が合わないと、良く飛ぶはずのラケットでもボールの勢いが出なくなります。
伝われば勢いが出て、伝わらなければどんなにイージーなラケットでもボールは上手く飛びません。要は、プレイヤーとラケットとの相性次第ということです。

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さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
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