縦ガットが18本のラケットの解説

テニスラケットで
縦ガットが18本のもの

「縦ガットが18本のラケット」—–と聞いても「何のことか分からない」という方も多いと思います。
これはラケットに張るガットの本数のことで、モデル毎に本数が異なるので、縦ガット(メイン)を18本張るタイプとご理解下さい。

これ以外には16本のタイプがありますが、現在のラケット市場では、こちらが大多数を占めており、18本のタイプは数えるほどになっています。
これ以外では例外的に、プリンスのグラファイトミッドサイズの14本というのがあります。

16本と18本の間に、なぜ17本のタイプというのが無いのだろうかと不思議に思われる方は、ご自分のラケットをじっと見て考えて下さい。
構造的に絶対に不可能ということはありませんので、今後登場しないとは言い切れませんが、見た感じがチョット落ち着かないかもしれません。

横ガット(クロス)の本数は18本~20本が一般的です。
こちらは別段、偶数でなくても良いので19本のものが多いです。

フェースサイズが同じで、縦ガットの本数が異なる場合、数が多いほどガット同士の間隔は狭くなります。
ですから、縦ガットが18本のタイプとは「ガットの間隔が狭いタイプ」と言い換えることができます。

そしてこのタイプについて一般的に言われることは「ガットの目が細かいと飛びが抑えられるため、ボールをつぶして回転をかけるパワーヒッターに向いている」というです。

ですが、プロ選手についてはともかく、一般のプレイヤーについては、これまでラケットドックで10,000名以上のプレーを見ていますが、そうした状態になっている例はあまり見受けられませんでした。

実際に、ガットの目が細かくて飛ばないラケットを使っているプレイヤーには、「打つ時に身体の力を使いすぎている」という傾向が多く見られます。
身体の力を絞り出して打っているのが見て取れるのですが、その上さらに、打球がネットを越えてから失速しているケースが多かったり、回転量の少ない棒球になってアウトしていくことが多かったりします。

毎回のショットで力を使いすぎているかどうかをチェックするためには、「打った後すぐに動けるかどうか」ということをポイントにしても良いでしょう。
自分の意識は次のボールへと動きたいのに、身体が一瞬縛られているような感じになり、スタートが遅れてしまうという状態です。

それは以下のような理由です。
「打つこと」にパワーを使わなければならないラケットは、「動くこと」に不利な面が出ることが多い。

◆力を使うことでバランスが崩れやすくなる
打った後に上体が前に突っ込んだり、左に流れたり(右利きのフォアハンド)、後に反ったりというふうに、打つことに力を使うと、打球後に体軸がぶれていることが多くなり、それを立て直してから次へと動かねばならないため打つたびにタイムロスが発生します。

◆前準備と後処理が長くなる
ものを持ち上げる時、軽ければ歩きながらでも持てますが、重いものを持ち上げるためには足を止めて足幅を拡げて腰を落とし、というように、前準備が必要になります。

インパクトに力を込めるという場合も、腰が浮いた状態では力が入らないため、体重移動がしっかりできるよう早めに足場を固めるという前準備が必要になります。

また、インパクト後にもボールを最後まで押しきる必要があるため、打球後になかなか脱力できずに力が入っているという傾向があります。

打つ前に足場を作る時間が必要になり、打った後も少し時間が取られるのです。

こうしたバランス修正やインパクト前後の作業は、それにかかる時間はわずかなのですが、確実に、「打つこと」にかかる時間を拡大させ、その分、動ける時間は短くなります。

一般的なプレーではストロークの打ち合いでショット毎の間隔は3秒程度ですので、インパクト前後にこうしたタイムロスが0.3秒あったとすれば、コート上でカバーできる範囲が、単純計算で1割減ってしまうことになります。
特に、相手がボレーでこちらがストロークという場合、打つことに時間を取られていると、打ち終わった時にはもうボールが来てしまい、それほど遠くない打球にも間に合わないというケースもあります。
そうした分かりやすいケースは別にしても、少しずつのタイムロスが次のショットに入るのを遅らせる結果、いつも後手後手になってしまうということは良くあります。

ラケットの性能が、プレイヤーのコートカバーリング能力に影響するなどということは、テニス界では通常考えられていませんが、ラケットドックの現場で見る限り、それほど珍しいことではありません。

打つことにパワーが必要なラケットを、プレイヤー自らが好んで使っている例が多いというのも事実です。
「しっかり打った気がする」というのがその理由ですが、「ガツンとくる手応えが好き」、「インパクトで力を入れないと打った気がしない」等々はプレイヤーの好みの問題であり、プレー能力の向上とは無関係だといえます。

ラケットを選ぶときに、好みを基準にするかゲームの勝敗を基準にするかはプレイヤーの勝手ですが、こうした、必要以上のパワーを要求するタイプを選ぶことが、勝ち負けの面からは不利につながることがあることは知っておいても良いでしょう。

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◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

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